DEELUXE 2017/2018
DEELUXE 2017/2018
http://www.deeluxe-jp.com
毎年進化するスパークシリーズ。自分は発売以来、このブーツを愛用しています。ザビエル・デ・ラルーとともに開発した”バックカントリー極地仕様モデル”と名されており、過酷な状況下での風雪の進入を防ぐシールドや、かかと部分にはコバも付きセミオートマチックのクランポンが装着可能。と、自分もデナリ登山&滑走や、カナダの氷河上気温マイナス25度の寒冷下、穂高や劔での登攀要素を含んだ日常より負荷の強いバックカントリーでも使用した。
しかしこのモデルが性能を発揮するのはなにも極地だけではない。自分は岐阜という比較的暖かい里山が主のエリアでシーズンを過ごす事が多いがそんな環境下でも快適なのである。”極地使用=硬い”イメージかもしれないが、実はそんな事はなくフレックスは同社のパークからフリーライディングと最もユーザーの多いEmpireと同じである。
スプリットボードのウォーキングモードにも対応しているベルト。自分はアイシーなコンディションでは締め、パウダーコンディションはウォーキングモードのまま滑っていた。そうすれば縦方向のフレックスは(特に後方)インディペンデント並みにとはいかないがとても柔らかくなる。
足首部分と全体を締め分け可能なダブルBOA。自分は足首部はしっかり締めるが全体は少し緩め。ハイスピードになる大きな山、アイシーなコンディションでは硬くする。コンディションに分けてブーツのフレックスを調整できるのでとても気に入っている。特に昨年度のブーツは母指球からつま先部分の形状が変わって長時間においての使用でも実に快適。ビブラムソールはさらに歩きやすく、そして何よりライディングしやすくなってます。
FOOTLOOSEはカッコよくて購入希望!
季節の変わり目Vo.2
前回の記事、季節の変わり目 - 好日山荘 ガイドコラムに引き続き『季節の変わり目Vo.2』です。
今週末は山行を楽しみにしていたのに雨のせいで山に行けず、残念な方も多かったのではないかと思います。季節の変わり目3月中旬から 4月上旬にかけて, 菜の花が咲く頃に降る長雨。「春の長雨」の事を菜種梅雨と言ったりします。高気圧がはり出したり移動性高気圧が北に偏って日本列島を通ったりするために,関東地方や太平洋沿岸部には冷たく湿った北東風が吹き,前線が停滞しやすくなる。そこへ小低気圧が次々と発生,東進するため,すっきりしない天気が続くようです。
人間サイドの都合では嫌だな〜と思う雨ですが、菜種梅雨はこれから咲き誇る花々にとって恵みの雨となります。もっとも梅雨のような何日も降雨が続き、集中豪雨を招くことは少ないし自然のリズムに合わせて山に行けば問題ありませんね。
しかし、この降雨中や降雨後の山行には注意しなければいけない点があります。ここ数日の山行で季節の変わり目に気にしている事をいくつかあげてみます。
●雪山においても防水対策が必要。バックパックのレインカバー、防水の手袋など。
●前線通過後、天気が回復して来る際に強風が吹いたり、温度が下がったりします。※山行前にはただしく天気予報を見て山中では、実際にどう推移しているのるか評価し続ける事が大切です。高い標高の山でも雨やみぞれ、濡れから冷えに注意!
●降雨により雪の結束性の弱くなりますから、急斜面では特に雪崩に注意です。この急斜面というのは自分がいる地点ではなく、自分の上方にある斜面も含まれます。雪崩地形を認識して行動してください。
●雪の結束性が弱いという事は…歩く際も歩きにくいです。
グサグサッと、腰まで深く沈んでしまったりしますので場合によってはワカンが必要な時も。※日射影響や昇温によって積雪表面が緩んだ場合も同様です
こんな好天の日も、午後の下山時に雪も緩めば…。
ゾンビ軍団と化す…!!一番左の方は腰まで埋まってます。私も膝まで埋まる雪ですがそのあたりはテクニックですね。足がうまった際は埋まった方向にそのまま足を引き上げると抜けますよ。無理やり動くとこうなります。
と、理由がわからないとなぜ装備が必要なのか分らないので体験した後は、ワカンを装着し装備のありがたみを体感。
季節の変わり目、引き続き安全に山を楽しみましょう!
季節の変わりVol.1
3月下旬になりました。年度末で忙しい方も多いと思います。お疲れさまです!いよいよ来週から4月。街では桜の開花が始まり、花見や入学のシーズンですね。
標高の高い山でも徐々に気象が穏やかになって来ます。朝夕は肌寒いが、日中は日差しが強く暑く感じる。とはいってもあたたかそうな上の写真も、気温はマイナス10度。街に比べればまだまだ冬ですが厳冬期に比べれば行動しやすい季節。日差しが強くなると言う事はサングラス、日焼け止め等の紫外線対策が大切になります。またこれからの季節は朝夕は肌寒いが、昼は暑い。日差しは暖かいが風は冷たいといった、相反する条件に対応するのは汗処理を優先したレイヤリングが役立ちます。
個人的にはファイントラックさんのスキンメッシュシリーズの手袋、靴下、アンダーウェアはこの非常に重宝して、おすすめです。
これから徐々に気象が穏やかになってくる山ですが…注意しなければいけません。こ〜んなにいい天候でも…
2時間後には雪も降り、視界不良。風も強く降りはじめて体感温度は一気に真冬以上のマイナス…山の天気は変わりやすく急変します。春とはいっても、山の気候はふもととは違い、気温もまだ低く、天候が急変して雪が降ることもあります。山の天気は地形や風により、平地の天気とは異なります。
春山に対する認識、気象条件によって起きる様々なリスクを想定し不十分な装備、技術、体力的に無理な計画などが無いように気をつけたいですね。
また最近は皆さん天気予報等の情報がインターネット等で入手しやすい事等もあり、天気を見て入山されていたり、ご自身でも勉強されているかと思います。実際の山ではこれから天気がどう推移するのか、予報をだけでなく現場を見て、実際との差異はどうなのか等を考えて行動するとよいかと思います。
個人的には、悪天候や厳しい登山の方が実は思い出に残ったり経験になったりしていますが、やはりこの写真のように天候に恵まれれば楽しい登山の1日になりますね!
季節の変わり目、どうか安全に山を楽しんでください〜
※好日山荘マウントラボ名古屋では旭ガイド塾を開催中です。
https://www.kojitusanso.jp/school/classroom/?sdt=&edt=&ar=15&ki=&page=1&mode=serch
冬の水分補給と水筒について
●冬の水分補給の注意点
①凍らせないこと。ペットボトルでは気温が低いと凍ってしまいます。ハイドレーションは、凍らないようにホースにカバーを付ける対策も必要です。(自分は細かいギアトラブルが嫌なので冬はハイドレーションを積極的に使いません。)サーモスをバックパックの外にという方を度々見かけますが、保温しておきたいのであればオススメしません。積雪期、無積雪期に関わらず命に関わる大切な水分はバックパックの中がよいですね。
②必要な水分は必ずとること。乾燥する冬、冬でも水分量は非常に大切で、少ないと血液が粘り抹消の血液循環が悪くなり、凍傷にかかる恐れも有ります。→意識的に多めに水分をとる、休憩時はまず水分をとる等の習慣を意識しています。
と、いう事で最近の登山やバックカントリー(テント泊含まず)で使用している水筒です。
ご存知、THERMOS(サ-モス)山専ボトルは通年大活躍です、このおかげで温かい飲み物がいつも飲めます。
折りたたみが出来てコンパクトになるハイドラパックは気温が低くない山で。※一部の好日山荘店舗で取り扱いしていると思います。
沢山水分をとるような山行にはナルゲンの1Lボトルを凍らない様に保温ケースにいれて。冬はバックパックの中でも簡単に水分が凍結していきますので…。
クリーンカティーンにはコーヒーや甘い紅茶を入れて。※主に移動時に使用が多いかな。
以上をメインに、2種以上を組み合わせて冬は使用しています。
街では春に季節が推移していますが、山は今の時期でも雪が降るし、気温ももちろんマイナスです。これから、残雪期に変わっていきますのでより水分が必要になると思います。雪山でも意識的な水分補給を意識してみてください。
●おまけ
チェーンアイゼンをリニューアルしてみました。(CAMPの物)八ヶ岳の赤岳鉱泉までのアプローチなどで主に使用していますが、非常に便利です!
ラッセルのすすめ
最近はコンスタントに降雪があり、冬らしい感じになってきました。積雪期の登山の楽しみの一つといえば、ラッセル。しまった密度が濃い雪は、比較的沈みにくいですが、降ったばかりの低密度の雪は沈みますのでラッセルが必要になります。
23日岐阜・大日ヶ岳で新しい積雪30〜40cmでした。一部トレースを使わずラッセルしましたが、先行者(好日山荘スタッフ)がラッセルしたくれたおかげで予定どうりのコースタイムで登下降。非常に助かりました。ありがとうございます!
24日鈴鹿・御在所岳中道は新しい積雪30〜40cm。数日前のトレースも消えて誰も歩いていない場所はフットペン80cm(つぼ足での貫入)。湯の山温泉からフルラッセルで予定の2.5倍の時間がかかりました。
以前、私の先輩ガイドがいつも言っていました。「雪山は1に体力2に体力」と。雪山はラッセルが出来てこそ1人前だと。
こんなにあるとなかなか前に進まないのですが…。
ここで山のお話を一つ。
皆さん知っているかもしれませんが雪山登山に関して、ラッセル泥棒という言葉があります。要は他人や他のパーティがラッセルした後を特に断りもせず付いていき労力を使わずに登山する行為。雪山登山で先行する他のパーティが自分と同じ場所を目指している場合、もともと知らない同士であってもラッセルを交代で行ったり助け合い、ラッセル泥棒はしないのが山のルールかと思います。また先行者がいた場合にラッセルの労をねぎらう感謝の言葉も大事です。
ルート取り、トラックセッティング、ラッセルは疲れますが非常に楽しいです。自分がつけたラインがそのまま残るんです。地形にあわせてなるべく美しいラインどりをしたくなります。またラッセルに要求されるのは、体力だけではありません。ボディバランスの良い効率的なラッセル技術は存在します。自分で道を開拓する楽しみ、雪山の真髄です。
トレースありきではなく、やはりありのままの雪山を行くならばワカンやスノーシュー等の深雪・新雪対策は必要装備です。また深い新雪に対してはピッケルはアンカーにならずスノーバケットのついたトレッキングポールが役立ちます。(使い方にもよりますが)もちろん氷化した滑落の危険がある場所はピッケルです。昨日、好日山荘に買い物に行ったらクリアランスで冬山ギアがなんと20%OFF!!。新しいアイゼンを購入してしまいました…。
AIRMONTE(エアモンテ)スノーシューズ(アルミワカン)(-): 登山・アウトドア用品登山用品・アウトドア用品の通販専門店 好日山荘
という事でせっかくの降雪続き。ラッセルのすすめでした。
Patagoniaクリーネストライン
ディギンマガジンBCギア特集号の中のフィールドストーリー
「人の入り込む事のない山塊・高千穂平」での私目線でのサイドストーリーが
パタゴニアのブログ、クリーネストラインに掲載されています。
文章能力が低い私ですが頑張りましたので
お時間ありましたら目を通してみてください。
SOTOストーブ
昨年の冬からSOTOのストーブを使用しています。
主に2機種使用しており、そのモデルやそのシチュエーション例を記載しますのでこれからストーブを買う方のご参考になればと思います。
風に強く寒さに強いストーブ
マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター
※上の写真、ゴトクはオプションを使用。
●使用シチュエーション:主に夏期 ※冬期は積極的に使う場面ではなく危急時用に。
●発熱量:2800kcal/h
軽量なのに使える。2016年の夏山では常にバックパックの中のストーブはこれでした。本体は69g。それに軽量化重視、危急時のみを想定した場合は付属のゴトク7gを。調理を想定した場合にはこの別売りオプションのフォーフレックス27gを。火力も夏山には十分な程。折りたたみ式でかっこよく、こんな事良く考えたな〜と思うまさにメイドインJAPANという感じの作りです。見た目もすっきりで2013年のグッドデザイン賞を受賞しているのも納得。
そして世界が認めた新次元のガソリンストーブ
MUKAストーブ
●使用シチュエーション:冬期、または重量を気にしないキャンプ時など。
●発熱量:4000kcal/h
ガス式の場合、寒冷下では徐々に出力が低下してしまいます。寒いなかで料理をと思っても、「火が点かない!」なんてことも。その点ガソリン式はジェネレーターを加熱して気化させる仕組みなので、寒冷地でも使用可能。寒さに強いことは、ガソリン式の大きなメリットです。そして火力が強い。ガソリンストーブの魅力は火力!火力が強いことで、水が沸騰する時間も短くすぐ調理ができます。特に冬期は雪を溶かし水を作ったりしますから寒い雪上での使用は火力の強いガソリンストーブを愛用しています。
そしてご存知の方も多いと思いますが、こちらのMUKAストーブの売りはなんとプレヒートなし!プレヒートといえば予熱作業や使用後のメンテナンス、道具に対する愛着をいっそう深めるいわば「儀式」の一つで私もそれが好きで使用していました。
しかし、このプレヒート等の作業はストーブをずっと使うシチュエーションではよいのですが、ガスストーブのように火を止めたりまた付けたりという作業には不向きでした。が、このMUKAストーブはプレヒートいらずで付けたり消したりが非常に簡単に行なえるのです!ガソリンストーブのよい点である火力の強さと、ガスストーブの扱いやすさを併せ持つガソリンストーブ。以前は他社の信頼のガソリンストーブを愛用していましたが、このプレヒートなしの便利さ故に最近のメインはMUKAストーブです。
以上個人的なレビューでございました。